ドイツの動物病院:犬のノミ・ダニ駆除薬ってどんなふうに働くの?

ノミ・ダニ駆除薬のはたらき

こんにちは、Soyです。

日本の実家から連れてきたトイプーのマメちゃん。ドイツに来てから2ヶ月ほどは、ノミ・ダニの駆除薬をのんでいませんでした。日本では毎月のんでいたようですね。

もちろんドイツにもノミやダニはいますし、それに対応する薬もあります。

今回は、動物病院で購入した犬のノミ・ダニ駆除薬についてと、薬の働き方について調べたことをご紹介します。

ノミ・ダニ駆除薬ってどんなふうに働くの?

日本にいたときは「ネクスガード スペクトラ 22.5」を毎月1錠摂取していました。ネクスガードスペクトラの成分は、犬の体重1kgあたりに対してアフォキソラネル2.5mgとミルベマイシンオキシム0.5mgを基準値としています。

ネクスガードスペクトラ22.5は、アフォキソラネル18.75mgとミルベマイシンオキシム3.75mgです。
*349_nex_spectra.pdf

アフォキソラネルとは、除草剤や駆虫薬に利用されるイソキサゾリンという骨格をもった成分です。アフォキソラネル自体は、犬のノミ・ダニ駆除薬以外では使用されていません。
*参考:Wikipedia「イソキサゾリン」

ノミ・ダニの神経細胞へ働きかける

アフォキソラネルは、ノミ・ダニの神経系に働きかけて駆除を行います。神経細胞が信号を送ったり、体の筋肉が収縮したりするシステムを止めて、麻痺させるんですね。

犬の健康に対する影響についてはさまざまな意見・事例があります。

ひとつは、アフォキソラネルには特定の選択的性質があるために犬の健康には影響を与えないというもの。つまり、昆虫には有効だが哺乳類の犬には無効だということです。

そして一方で、アフォキソラネルが主成分のネクスガードにより、犬に運動障害が発生したという事例もあります。こちらは、ネクスガードの安全性と効果を承認したFDA(アメリカ食品医薬品局)の報告です。なんと、これまで病歴のなかった犬でも起こる可能性があると言っています。かなり怖いですね…。
*Fact Sheet for Pet Owners and Veterinarians about Potential Adverse Events Associated with Isoxazoline Flea and Tick Products

FDAは、薬を承認する前に動物医薬品を慎重に評価していますが、製品の使用人口が増えれば増えるほど、新たな情報が出てくる可能性があることを認めています。まぁそれはそうですよね。なにごとも初めから完璧なものはありません。
*FDA Alerts Pet Owners and Veterinarians About Potential for Neurologic Adverse Events Associated with Certain Flea and Tick Products

ただ、安全だと信じて被害に遭ってしまったら、飼い主は一生後悔してしまいます…。

ミルベマイシンオキシムは、フォラリア予防の成分です。ミルベマイシンオキシムを主成分としたミルベマイシンA錠という動物医薬品がありますが、こちらも100%安全ではありません。死亡例もあるようです。もちろん少数派ですが。

薬の投与には、なんでも副作用がありますからね。とはいえ、ノミ・ダニに寄生されると痛い痒いでは済まされないことも事実です。

ドイツの動物病院で購入したノミ・ダニ駆除薬

BRAVECTO

近くでお世話になっている動物病院では、「ブラベクト(BRAVECTO)」という錠剤を処方されました。こちらは、フルララネル(Fluralaner)というイソキサゾリン系の成分が主となっています。イソキサゾリン系ですから、上記のFDAから注意喚起されている薬のひとつに含まれています。
*Safety data sheet

ノミダニ駆除薬のサイズお鼻に乗せられて前のめりになっちゃうマメ

ブラベクトの効果は、ノミ・ダニに対してのみでフィラリア予防はできません。薬の働き方は、ネクスガード同様、有効成分が血液を通してノミ・ダニの神経細胞コントロールを失わせることで死亡させる仕組みです。

ブラベクトは、一度の処方で3ヶ月間効果が持続します。そのため、強い薬なのかな?と少し心配でした。臨床試験として、「子犬に上限の5倍量を8週ごとに3回投与しても有害事象は認められなかった」ことから高い安全性が認められているとのことです。試験というか実験ですね……(´∵`)
*bravecto

とはいえ、ブラベクトは2014年にアメリカとヨーロッパで認可された新しい薬です。日本では2015年に認可されました。これからまだまだ新しい情報が出てくると思います。

お値段は€28.35でした。3ヶ月に一度なので比較的コスパはいいかと思います。

ちなみに、マメはブラベクト投与後の翌日のウンチが少し柔らかめでした。固形なので下痢とはまったく違って大丈夫なのですが、薬の影響かなぁと少し思っちゃいますね。

ノミ・ダニを予防するために飼い主ができること

薬のリスクとノミ・ダニに寄生されるリスク……飼い主としては悩ましいですね。

日頃から犬との生活の中で、できるだけノミ・ダニを排除することも大切だと思います。そこで、飼い主にできるノミ・ダニ予防のヒントをまとめてみました。

定期的なシャンプー・ブラッシング

最低でも月に1度はシャンプーしてあげるのがいいかなと思います。また、ブラッシングはできれば毎日ですね。抜けた毛というのは雑菌の温床になりやすいので、定期的に取り除いてあげるべきでしょう。

また、ブラッシングで犬の体を触ってチェックすることで、皮膚の不調や炎症を早く見つけることができます。

部屋の掃除・換気

空気の入れ替えや、カーペットに掃除機をかけるなど、部屋の清潔感を保つことは大切です。ノミ・ダニに限らず、菌が繁殖しにくい環境づくりをしましょう。

犬グッズの洗浄

犬のベッドや毛布、タオルなど、洗濯できるものは定期的にしてあげましょう。ノミ・ダニは熱に弱いため、乾燥機にかけてかわかすのがオススメです。

さいごに

犬を飼い始めて、言葉で伝えることのできない犬の健康状態にはとても敏感になりました。

そして、世の中にはいろんな「事実」がある、ということも知りました。

薬やワクチンで死んでしまった動物がいるのも事実だし、薬やワクチンを拒否して(あるいは摂取できる環境でなかった)死んでしまった動物がいるのも事実です。

獣医は金の亡者で、金儲けのためにペットの薬やワクチンを売りつけていると主張する人もいますし、狂犬病ワクチンなんかもあるところでは物議を醸していますね。私自身は、現在先進国で狂犬病が見られないのは、これまでの獣医たちの努力があったからだと思っていますが。

お金のことしか頭にない獣医もいるかもしれませんが、動物が大好きで動物のために最善をつくしている獣医もたくさんいます。

すべてが事実ですが、真実は人によって違うということですね。私は専門家ではないので、やっぱり獣医さん頼みになりますが、いろんな情報を自分で集めることも大切だなと感じています。

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