こんにちは、ドイツで犬と暮らす日が近づいているSoyです。
ドイツでは、猫に次いで人気のペット・犬。日本とは異なり、電車やバスなどの公共交通機関だけでなく、レストランやカフェ、ショッピングモールなどにも犬を連れていく人が多いため、街中では頻繁に犬に出会います。
よく訓練されているので、大変おりこうな犬が多く、しっかりと飼い主の顔を見てよく声を聞いて従う様子がよく見られます。
来年、実家からマメちゃん(トイプードル・オス3才)を引き取る予定なのですが、おすわりやお手はできるものの、こちらにいる犬とは比べ物にならないくらいのやんちゃ坊主です…。
何はともあれ、まずは飼い主としてドイツのルールを知っておくべきですよね。
今回は、さまざまなドイツ語のウェブコラムを参照にした私なりの解釈から「犬を飼うための8のルール」をご紹介します。ドイツで犬を飼おうかな、と検討中のみなさんの参考になれば幸いです(◍•ᴗ•◍)
生き物を飼う責任を負えますか?項目チェックで確認しよう
犬は猫を飼う場合よりも、より多くの「注意」を必要とします。群で暮らす犬にとって、一緒に暮らす人間はまさに自分の家族そのもので、飼い主への依存が高い動物です。
まず犬を飼う前に、犬の幸せを考えて飼うことができるのか、死ぬまで面倒を見ることができるのか、きちんと自問自答しましょう。
自分の環境に、犬を飼うだけの条件が揃っているかどうか、次の項目を参考に考えてみてください。
①犬のためにじゅうぶんな時間を取れるか。
②家族の中に、きちんと犬の世話をする人はいるか。
③家の中に犬のためのじゅうぶんなスペースはあるか。縦横無尽に動ける広さがあるか。
④犬のために必要な費用をまかなえるか。エサ代、予防接種代、犬税の支払い、健康保険料など。これらの費用が家計をひっ迫したり、予算を超えたりしないか。
⑤飼い主が旅行などに行くとき、犬を預けられるあてはあるか。
⑥住んでいる家は、犬を飼うことが許可されているか。
⑦一緒に暮らす家族全員が、犬を飼うことに賛成しているか。
⑧自分と自分の家族に合う犬を選べているか。犬種、性格、大きさなど。
犬は家族の一員で、犬を飼うことには毎日責任が付きまといます。エサをあげて、ブラシをかけてあげるだけが「犬を飼うこと」ではありません。
犬を飼うということは、注意を払って健康に気を遣い、まるで子供を愛するようにたくさんの愛情を注ぐということなのです。
ドイツで犬を飼うときの8のルール
*ドイツ国内でも、地域により条例や法律が異なる場合がありますことをご了承ください。
犬を飼い始めたら役所に届け出ること
ドイツでは、犬の飼い主に犬税が課されます。税額は州によって違い、犬の数によっても異なります。犬を飼い始めたら、必ずお住いの地域を管轄する税務署(Finanzamt)に届け出ましょう。
犬の登録がされたら、税務署から鑑札が送られてくるので、外出するときは犬の首輪につけなければなりません。
州により異なる税額により、ドイツ国内で引っ越しをした場合も新たに登録が必要となります。そのときは、以前の州での登録解除(Abmeldung)が必要です。
登録申請書はこちら(ベルリン用) Anmeldung eines Hundes
犬税を支払う際に、銀行引き落としを希望の場合は口座振替依頼書(SEPA-Lastschriftmandat)も提出しましょう。
犬の賠償責任保険に加入すること
犬の賠償責任保険は「Hundehaftpflichtversicherung(フンデハフトプフリヒトフェアジッヒャールング」と言います(長〜)。賠償責任保険は、例えば飼い犬が誰かの高価なものを壊してしまったり、賃貸アパートの一部を破損させてしまったときに修繕費や購入費を補填する保険です。
2019年の時点で、ドイツ国内16州のうち6州でこちらの保険に加入することが義務付けられています。6州は以下の通り。
- ベルリン
- ハンブルク
- ニーダーザクセン
- ザクセン=アンハルト
- シュレースヴィヒ=ホルシュタイン
- テューリンゲン
他の州でも加入が推奨されていますが、義務ではありません。
犬種にもよりますが、だいたい年間40〜60ユーロくらいで見つかります。
犬のフンは必ずゴミ箱へ
犬の散歩中に犬がフンをした場合、日本では小さなナイロン袋やビニール袋に入れて、そのまま持ち帰りますよね。
なんとドイツでは、そのビニール袋を公共のゴミ箱に捨てても良いらしいのです。公共のゴミ箱にフン!?と驚きますが、そういえばフンの入った袋を持ったままの飼い主さんは見たことがありません。
ちなみに、犬のフンを路上に放置した場合は、ベルリンでは35ユーロほどの罰金が課せられます。ニーダーザクセンでは50〜100ユーロの罰金らしいので、地域差があるようですね。
犬に重要なワクチンは5種!ただし義務ではない
日本で犬を飼うには、狂犬病予防のためのワクチン接種が毎年1回義務化されていますね。
実は、ドイツでは予防接種の義務はありません。しかし、危険から犬の身を守るために、次の5つの症例に対するワクチン接種が推奨されています。ワクチン接種の頻度は、ものにより1年毎から3年毎とさまざまです。
動物病院の獣医さんと相談して、必要なものを必要なときに接種しましょう。
狂犬病(Tollwut)
狂犬病は、動物に噛まれたり傷口を舐められたりすることにより感染します。感染後の治療は不可能で、重い神経障害が現れ死に至ります。
ジステンパー(Staupe)
目やに、発熱、鼻水、食欲不振、下痢や痙攣などの症状が現れるウィルス感染症です。伝染力が強く、感染すると最悪死に至ります。
レプトスピラ症(Leptospirose)
熱帯地方で多く見られる細菌による疾患ですが、全世界で発生しています。血液や、胃腸・肝臓・腎臓などに損傷を引き起こす可能性があります。
パルボウィルス(Parvovirose)
このウィルスは、激しい下痢や嘔吐を引き起こします。体の中の水分が急速に失われてしまうため治療は難しく、とくに子犬の場合は数日で死に至ります。
肝炎伝染病(HCC)
感染した動物の唾液や糞尿を介して感染します。発熱や消化不良などの症状が現れ、慢性的な肝炎に進行する可能性があります。子犬の場合は死に至る可能性が高いです。
*参照ページ:Hundeimpfung
公共交通機関に犬を連れるときは口輪とリード必須
電車やバスの中で犬連れの人をよく見ます。彼らはだいたい口輪なし、ときにリードなしですが、実はルール上は口輪とリード必須なのです。
しかしとくに口輪に関しては、かわいそうなどといったこれまた動物愛の強い思想によって、見て見ぬフリがなされているのですね。
実際に、チケットコントロールなどで鉄道会社の職員が乗り合わせた際にも、注意などをされている様子は見たことがありません。
ですが、ルールはルールです。万が一、飼い犬が他者を傷つけないためにも、人の多い交通機関内では口輪を付けた方が良いと思います。
場所によって犬のリードの長さを変える
歩道や人の多い場所、公共の建物・交通機関、ビジネス街のビルなどでは、1m以下のリードに犬をつなげなければいけません。また、お祭りやイベントなどで群衆に遭遇するような場合も同じです。
お散歩コースや緑地公園などでは、2m以下のリードに繋がられている必要があります。その他、キャンプ場や森林区域でも同様です。
ドイツでは、リードなしで散歩している犬がたくさん見られます。自由気ままに歩いているようにみえて、きちんと飼い主について行くので、周りの歩行者も飼い主も意に介せずなんですよね。
しかし、ルール上はリードが必須のようでした(´・∀・)
ちなみに、ベルリン内のいくつかのパークと森林区域では、リードなしで犬を連れることが許可されています。(テンペルホーフパークやマウアーパークなど)
*参照ページ:Hunde in Berlin
スーパーや子どもの遊び場に犬は連れて入れない
スーパーの前にたたずむワンちゃん、ドイツではよく見ますよね。飲食物を取り扱うお店だからでしょうか。スーパーの店内には犬を連れて入ってはいけません。
では、同じ飲食関係のカフェやレストランはどうなのでしょうか。こちらではよく犬連れのお客さんを見ます。
実は、これも本当のところ、ほとんどのお店では犬の連れ込みが禁止されているんです。しかし、暗黙の了解なのかなんなのか、誰も何も言わないのでみんな犬を連れて行くんですね。
その他、子どもの遊び場や入浴施設などでも犬の連れ込みは禁止です。一部の緑地公園でも禁止されている箇所があるので、きちんと確認しましょう。
闘犬を外に連れ出すときは常に口輪必須
よく日本でも、闘犬のトラブルはニュースで目にしますよね。ピット・ブルやマスティフ、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアなど、これらの犬種を飼育するのは免許制にしたらいいのに、といつも思います。
ティアハイム(動物保護施設)でも、途中で飼えないと判断されて連れてこられたのか、闘犬系のゴツい犬種がたくさんいます。
これらの犬種は、公共交通機関ではもちろん、それ以外の全ての屋外でも常に口輪をつけなければいけません。
さらに、ベルリンでは該当の犬が攻撃的でないこと、飼い主が犬のための専門知識を持っていることを証明し、役所で登録する必要があります。
犬にドイツ語で指示しよう
犬のしつけ用語を、ドイツ語で覚えておくのが良いですね。おすわりや伏せなどのドイツ語コマンドをご紹介します。
命令
・おすわり Sitz!(ジッツ)
・伏せ Platz!(プラッツ)
・まて Bleib!(ブライブ)
・お手 Pfote!(プフォーテ)
・来い Komm!(コム)
・ダメ Nein!(ナイン)
・静かに Ruhe!(ルーエ)
ほめ言葉
・良い子だ Gut!(グット)
・よくやった Bravo!(ブラーヴォ)←イタリア語?
Hundeschule(犬の学校)に行くのも良いかも
ドイツでは、犬を飼い始めるとみんなHundeschule(フンデシューレ)という犬の学校に通います。
コースによっては、飼い始めでなくてもしつけが上手くいかなかった攻撃的な犬や、飼い主の言うことを聞かない犬など、専門的に訓練することも可能です。
料金は、学校やコースにより異なりますが、60分の授業を5回で100ユーロや、90分の授業を4回で160ユーロと、それほど高くはありません。
私が来年から引き取る予定の実家のマメちゃん(トイプードル・オス3才)は、同じ犬に対してとても社交的です(◍•ᴗ•◍)しかし、玄関の呼び鈴が鳴ると吠えたり、知らない人が家に来ると威嚇したりなど、対人関係に少々難ありなのです(笑)。
私が住むここベルリンには、どこに行ってもたくさん人がいて、車もたくさん走っているので、実家ののどかなご近所さん付き合いしか知らないマメにとっては刺激がありすぎます。
しばらく様子を見て、必要そうであれば学校に行ってみようか検討してみます🐶
bravはdu bist brav.等と使います。
日本語で言う、いい子いい子、
みたいな意味だと思います。
ずいぶん前の投稿なので、もう気づかれたかもしれませんが。
ドイツ語の犬のコマンドを探して、こちらに来ました。
他にはありますか?
またご紹介ください。
にさん
コメントありあがとうございます!
bravというドイツ語だったのですね。教えていただきありがとうございます!
結局今まで一度もドイツ語でコマンドは出さずに過ごしました^^;
犬の散歩で他の飼い主さんに会ったときは、
Langsam!(犬が走ってこちらに向かってきたとき)
Komm weiter!(私の犬と遊びたがって飼い主さんについていかないとき)
などをよく耳にしましたよ。
他にも、コマンドというより言って聞かせるという場面が多かったように思います。
珍しく、ドイツの犬の扱いに関して正確な記述の記事。
今後も正しい情報提供をお願いします。