こんにちは、Soyです。
私はベルリンのとあるCエリアよりのギリギリBエリアにて、賃貸物件を借りて住んでいます。ドイツへ来て3年目にしてやっとでした。
それまでは、WGといういわゆるシェアハウスに住んでいました。ただでさえ住む場所を確保するのが難しいベルリンですが、WGと賃貸物件ではその難しさにさらに大きな差があります。
今回は、賃貸物件を確保するまでにしたこと、賃貸物件とWGを借りる際のルールの違いなどをご紹介します。
賃貸物件の難易度が高いのは「信用」がないから
ドイツで賃貸物件とWGというシェアハウスの見つけ方を比べたときに、大きく異なると感じるのは「審査の厳しさ」です。
WGでは、オーナーよりもHauptmieter(その家を借りて管理を任されている人)に気に入ってもらえることが重要で、気が合いそうだとか共用スペースを清潔に使ってくれそうだという「人の印象」で決まります。そのため、部屋探しが難しいベルリンといえど、WGを探すのは、日本人にとって案外簡単だと思います。
数打ちゃ当たる方式でメッセージを送り続ければ、必ず見つけられるでしょう。あとは、やはり年々家賃が高騰しているので、払える金額の基準が高い方がもちろん有利です。
しかし、賃貸となるとそうはいきません。お金を持っている方が有利なのは間違いないですが、それよりも職種の安定度や、これまでのドイツ生活での信用度が重要となってくるのです。
まず、信用度が一番高いのは「ドイツ人」で「しっかりとした仕事を持っている人」でしょう。例えば、いくら1Kの小さなアパートであっても、ドイツ人の銀行員が借りたいと言っているのであれば、我々に入り込む余地はありません。
ドイツ生活における信用度をSCHUFAで知る
ドイツでの信用度は、SCHUFA(Schutzgemeinschaft für allgemeine Kreditsicherung:シューファ)という信用調査会社によって情報が集められ、スコアで表されます。
というのも、SCHUFAは独自で情報を集めているわけではなく、パートナーの銀行や保険会社などからの情報を鵜呑みにして分析してるからだとか…。
また、銀行口座を複数持っていたり、使っていない口座がある場合などにスコアが下げられるという噂もあります。本当かどうか定かではありませんが、私たち夫婦もお金の管理のために複数口座を持っているので、それによって信用度を下げられるのは困ったものです。
このSCHUFAのスコアは不動産や物件のオーナーから提出を求められることが多い書類のひとつです。年に1度は無料でスコアを取り寄せることができるので、事前に用意しておきましょう。
有料と無料の違いは、自分のデータに関して問い合わせができるかどうか、またオンラインで更新される最新のスコア状況を確認できるかどうか、といった内容です。
その他の必要書類
アパートを借りる際、SCHUFAの他に大家から求められる書類は、その大家によってさまざまでした。こちらでは、私がアパートを探していたときにリクエストされた書類を紹介します。(どの段階で言われたのか忘れたので、申込み時・契約時とごちゃまぜです…。)
①パスポート写真ページのコピー
②パスポート表紙のコピー
③3ヶ月分の給料明細のコピー
④不動産会社の申込書
⑤Mietschuldenfreiheitsbescheinigung(家賃無滞納証明書)
⑥半年分の家賃支払い領収書のコピー
⑦滞在許可証のコピー
④の不動産会社の申込書は、不動産会社がオーナーのアパートに見学へ行ったとき、「これ書いてメールで送ってね〜」と言われました。顧客の情報登録に必要な書類なのだと思います。
⑤の家賃無滞納証明書は、「私はいつからいつまで家賃を滞納せずきちんと支払いました!」という証明書です。とくに決まったフォーマットはなく、ネット上で探すとたくさん出てくるのでコピペでOKです。現在住んでいる家の大家にサインをもらいます。
⑥これはあまり求められないのではないかと思いますが、一度だけ提出してねと言われました。領収書は大切なので取っておかないといけませんね。
ベルリンで賃貸物件を探す方法
アパートの情報が載っているウェブサイトimmonetやimmobilienscout24などで物件を探します。だいたいどのサイトでも同じ物件が載っていますが、これは不動産の管理会社やオーナーがそれぞれの広告に載せているからですね。日本でいうSUUMOとかHOME’Sのような不動産情報サイトと同じです。
日本語のウェブサイト「MixB」や「ベルリン掲示板」にもたまに賃貸物件の広告が掲載されていますが、けっこう高いですよね。
1000ユーロ/月の賃貸物件なんて、WG用に借りてHauptmieterになるか、駐在員家族として住むくらいしかできないのでは?と思ってしまいます。日本食レストランの正社員シェフにも、ドイツ人のシステムエンジニアにも1人暮らしとしては高すぎるでしょう。
他にチェックしておくといい情報ページを紹介します!
e-bay Kleinanzeigen
ebay Kleinanzeigenの不動産を探すページでは、わりと個人のオーナーが広告を出しているように思います。私の友人はこちらでアパートを見つけました。
私は20通くらいメッセージを送ったのですが、2件ほどしか返って来ず、結局利用しませんでした。しかし、良い物件が毎日更新されているので要チェックです。
Gewobag
Gewobagでは、比較的低い金額の物件が紹介されているように思いました。低所得者のみしか応募できない物件(WBS erforderlich)も多くあります。希望の条件を申請しておけば、最新情報をメールで届けてくれるので見逃さずにすみます。
直接オフィスに行って登録すると、わりと物件の確保がしやすいと聞きました。ホームページに載っている物件数は少ないように見えますが、ほぼ毎日更新されているようなのでチェックしておくといいと思います。
家具あり家具なし家具引継ぎ
ドイツのここが変!と思うポイントのひとつなのですが、家具のありなしは前の住人との交渉によって決まることが多いんです。
前住人が「この家の家具を2000ユーロで売ります。」という場合や、「欲しいものがあれば置いていくよ。値段交渉はあなたがここを借りられることが決まってからしましょう。」という場合などいろいろな前住人に出会いました。
「6000ユーロで!」なんていう金額を提示している広告も見たことがあります。さすがにその広告にはメッセージを送ることさえしませんでしたが、全般的にかなり強気だなぁという印象ですね。
キッチンがついていない!?
そう、ドイツのアパートにはキッチンがついていないのです。最低限、コンロと流しがついていることはあるようなのですが、キッチン作業台や頭上のキッチン棚などは基本的にありません。
引っ越しをするたびにキッチンも一緒に移動するらしいのです。ドイツ人、料理しないのに自分のキッチンに愛着がわくのか!?と疑問に思ってしまいます…。
そのため、夫の友人は6000ユーロかけて最新のおしゃれなキッチンを設置していました。賃貸物件にそこまでできな〜い(ˊ̥̥̥̥̥ ³ ˋ̥̥̥̥̥)
オーナーが不動産会社ではなく個人の場合は、大家さんがすでにキッチンを設置して、家具もそろえてくれていることも多いようです。まずは個人のオーナーから借りられるようにした方が得策かもしれませんね。
ちなみに「Einbauküche」という表示があればキッチンがきっちんりついていますよ(・∀・)(笑)
オーナーに選ばれるための戦略と運の引き寄せ
晴れて広告主から「見学に来てもいいよ!」というメッセージをもらったら、気合を入れて見学に行きましょう。見学のときに書類提出を求められることは少ないですが、私のようにその場で決まる場合もあるので(後述)持っていくに越したことはないと思います。
前住人がまだ住んでいる場合(現住人)は、その人の都合のいい時間に1組1組案内されます。前住人には次住人を選ぶ権利はありません。(ただし、家具の買い取り条件などで前もってふるい分けることは可能)その後、物件の管理会社またはオーナーに審査のための必要書類を提出して連絡を待ちます。
前住人のいない新しい(リノベートされた)物件の場合は、決まった見学日にたくさんの人が同時に訪れます。このような公開見学では、案内や質疑応答がドイツ語で行われます。その物件を希望する場合は、その場で管理会社に書類を提出する人もいますが、メールで提出しても同じです。
ドイツ人にきいた戦略:不動産会社のオフィスに直接出向く
これは、ドイツ人のとある前住人から聞いた方法です。
見学のときに私が「管理会社に選ばれるには、やはり収入や職業が大事ですか?」と前住人に聞いたところ、「どんなふうに審査をしているのかはっきりとは知らないけれど、私はオフィスに直接出向いて書類を出したわ。『借りたいの!』と言ってね。その場で決まったわよ。」と教えてもらいました。
外国人にはハードルが高いような気もしますが、英語での案内をしている会社も多いので案外有効に活用できるかもしれません。「気持ちをアピールするのも大事よ!」とのことです。
収入が低い人の戦略:WBSを活用する
WBS(Wohnberechtigungsschein)は助成金を受けて建設された物件Sozialwohnung(社会住宅)に住むことができる許可証です。一定の条件のもとに発行されます。
WBS(ヴェーベーエス)は、ベルリンだと独身の場合、収入(おそらく手取り)が年間16,800ユーロ以下で発行されるようです。参照:WBS
賃貸物件情報に「WBS erforderlich」という文言がある物件は、WBSがないと借りられません。またWBSは、基本的に1人暮らしであれば1部屋用の、2人暮らしであれば2部屋用のものが発行されるため、1部屋用のWBSでは2部屋の物件を借りることはできません。
さらにWBSのなかにも「普通」と「緊急」の2種類があるらしく、緊急のWBSしか受け付けない物件もあるようです。
Sozialwohnungは2部屋500ユーロ(warm)や600ユーロ(warm)など、本当に安い物件がたくさんあるので、条件が当てはまりそうな人は申請してみる価値大だと思います。
WBS案件を多く取り扱う管理会社にはGewobagがあります。他にも「Sozialwohnung」や「WBS Wohnung」というキーワードで探すとけっこう出てきますよ。
日本人友人の戦略:ハッピースマイル
私の日本人の友人がまだワーホリだったころ、彼女は収入面や職業面とはまったく関係ない「幸せオーラ」で物件を確保しました。
その物件のオーナーは個人だったので、この技が使えたのだと思います。
契約のときに、「どうして私を選んでくださったのですか?」と聞くと、「見学のときに、この部屋をとても気に入ってくれて素敵な笑顔で幸せそうに見えたから。」と言われたそうです。
日本人のみなさん、今こそ日本で培った「営業スマイル」を活用するときです!
Soyの戦略:エリアの条件を引き下げる
今回の私の勝因は、まさにこれでした。日本人はけっこう中心に近いエリアに住みたいという人が多いように思いますが、エリアの条件を下げるだけで物件が手に入る率は格段に上がります。
ただ、外せない部分もあると思います。例えば、東ベルリンに職場があるのに西ベルリンの端っこに住むのはツラいですよね。しかし、もうその場合は東ベルリンのCに近いBエリアまでは条件に入れるべきです。
AエリアかAに近いBエリアではライバルが多すぎます。
私は、Cに近いBエリアまで範囲に入れたところ、中心から遠すぎたのか見学日に私以外誰も来ませんでした。その結果、晴れてアパートを借りることができたのです。これは運が良かったとも言えますが、条件を下げることにより運を引き寄せたとも言えると思っています。
中心から遠いといっても、家から徒歩5分のところに駅があり、そこからは20分近くでMitteへ行けます。また、家の近くには3件のスーパーに酒屋さん、ドラッグストアなど暮らしに必要なお店は充実しているので不便はありません。
そう、人が住んでいる限り、周りにはお店と公共交通機関があるものなのです。遠くても大丈夫ですよ〜
Soyの戦略:専門家の話を聞かない
日本語のウェブサイトで知った、とある不動産エージェント的なことをしている個人の方に「2人で〇〇ユーロの賃貸物件はありますか?」と聞いたところ、「ベルリンにはそういった物件は今はないし、これからもないです!」と一刀両断されました(ˊ̥̥̥̥̥ ³ ˋ̥̥̥̥̥)
Soy
そう、あります。ないのは、その人の取引相手数が少ないだけです。
ドイツ語ができないと、ついつい日本語で情報を探してしまいがちですが、そうなるとどうしても視野が狭くなり情報も入って来ません。何件も見てドイツ語を調べたりしているといると、なんとなくドイツ語でもわかるようになってくるので諦めずに探し続けてください。
さいごに
ドイツでWGではなく賃貸物件を探そうという人は、おそらくこれから長くドイツにいたいと考えている人だと思います。ということは、ドイツ語勉強しますよね?
賃貸物件を確保するには、やはりある程度ドイツ語を知っていた方が良いと思うのです。契約書も見学時の説明も、外国人が多いベルリンでさえすべてドイツ語でした。
もしドイツ語がゼロでアパートを借りたいという人は、ちょっと長期戦を覚悟して探した方がいいかもしれません。まずはWGで安住し、落ち着いて探しましょう。